2010年9月9日木曜日

ベアフットランと呼吸 〜その2

さて、続きです。

まずは、なぜ踵を上げると呼吸が浅くなるのか、そのメカニズムを解説していきましょう。

右の図を見てください。このように、脊柱は側面から見ると緩やかなS字を描いています。首は前へ、胸は後ろへ、腰は再び前へと湾曲しています。これらは総称して生理湾曲と呼ばれており、これによって計24個の椎骨を大きな一つのスプリングのように使っているのです。

このような構造は人間独特のもの。
なぜか? 理由は簡単。
人間だけが二足歩行をする動物だからです。

なにしろ脊柱のてっぺんには体重の約10%もある重い頭部が乗っており、さらにその中には振動や衝撃に弱い精密機器である脳が入っているのは皆さんご存知の通り。生理湾曲がなければ、歩行の衝撃がダイレクトに脳をゆさぶり、10分と歩いていられないでしょう。つまり、この独特な構造は皆さんの優秀で大切なオツムを衝撃から守るための進化の結果というわけなのです。

ここまでを理解していただけたら、本題へ戻りましょう。

踵を高くすると骨盤が前傾し、この生理湾曲がきつくなるのです。特に腰部湾曲は前へとせり出し……と書いても想像しにくいでしょう。ハイヒールを履いた女性のヒップラインを思い出してください。腰はグッと反り、お尻はキュッと上がります。あの状態です。

この骨格バランスの変化によって何が起こるか?

腰を反らすことにより腹腔内の圧力が高くなり、その圧力は直上の横隔膜にも加わります。つまり、横隔膜の動きが制限されることにより、肺活量にも大きく影響が出るのです。

さらにもうひとつ。これはご存知ない方も多いのですが、私たちは呼吸する際、脊柱全体を使っているのです。生理湾曲のスプリングを伸び縮みさせることで胸郭を開き、腹腔内の圧力を逃がし……と、これも言葉で説明しても理解しづらいですね。もし、あなたの旦那さん(奥様)、あるいはお子さんの寝相が悪ければ、うつぶせ寝をしている時に、その背中をじっと観察してみてください。背筋全体が大きく波打つのが分かるはずです。

踵が高くなり、生理湾曲がきつくなると、この動きが悪くなるのです。これによっても呼吸が邪魔されるのです。

よく、ドラマなどで仕事から帰ってきたOLさんがハイヒールを脱ぎ捨て深いため息のような深呼吸をするシーンがありますね。あれ、実は上記のような理由で十分な呼吸が出来ていないから……と私は推測しているのですが、どうでしょう?

そういえば、日本を代表する(?)美男子俳優は鼻詰まり気味の声が特徴ですが、あれは、彼が密かにシークレットブーツを履いているために呼吸器系に問題が出ているのではないか……そういえば名刑事役のドラマが大ヒットした某大物俳優にも同様の噂がありますね。彼は現代劇の時にはグズグズの鼻声なのに、時代劇の時には朗々としたセリフ廻し。もしかしてあれも……な〜んて、あくまでも私の想像ですけどね。

いやはや、ずいぶん脱線してしまいました。続きは後ほど!

2010年9月8日水曜日

ベアフットランと呼吸 〜その1


この年頭、ランニングを始めて愕然としました。
息がすぐに上がってしまい、走れないのです。

「まさか、こんなはずじゃ……」

かつてはタバコを吸っていましたが、止めてから5年以上が過ぎ、肺は完全なスモークフリー。健康診断では肺活量も平均値以上。体重も平均よりも若干重いとはいえ、もとから筋肉質でもあり身体を運ぶのに苦労するような肥満体ではありません。41歳にしては「なかなかイケテる」肉体の持ち主だと密かに自負もしていました。

それが、走り始めると、1分も経たないうちにゼイゼイと息が上がり、足はもつれ、目の前はチカチカ。

「そりゃそうだ。いきなりロッキーみたいに颯爽と走れるはずがない。最初はウォーキングからだよな」と自分に言い聞かせて一ヶ月。それでも走りだそうとすると、やはりゼイゼイのチカチカのクラクラ。これが老化というものかと目の前が真っ暗。

ところがです。『BORN TO RUN』を読んで感化され、地下足袋を履いて走りだすと……なんということでしょう! それまでの不調(?)が嘘のように息が上がらなくなり、その調子で10分、20分と続けて走っても息の苦しさなど微塵も感じなくなったのです。

この変化を『それ以前に苦しいのに耐えてウォーキングを続けた自分の努力の結果』だとずーっと考えていました。しかし先日、実はそうでないことに気付いたのです。

ここでちょっとした実験をしてみましょう。

まず、裸足になり、立った状態で大きく深呼吸してみてください。腹式、胸式、逆腹式、ヨーガ式、ピラティス式、なんでもかまいません。自分が吸える限りの空気を肺に取り込んでみてください。そして、その感覚を覚えておいてくださいね。

では、次に本か雑誌(厚さ3〜4cmもあればよいでしょう)を両踵の下に敷いてください。足部は爪先下がりの状態になりますね。その状態でもう一度深呼吸してみてください。

おそらく、ほとんどの方が、足裏をベッタリ床に着けた時よりも息の吸いにくさを感じるはずです。なぜこのようなことが起こるのか?

その続きはまた後ほど!

走る!

……と言ってもオートバイではなく、二本の足を使ってのハナシ。

思い返せば今年の正月に映画『ロッキー』を観て、短絡的に身体を鍛え直すことを思いつき、毎朝のウォーキングを開始。その後、メキシコの山深くに実在する人類最強の“走る民族”を追ったルポルタージュ『BORN TO RUN』((NHK出版)を読み、衝撃を受ける。

この本に出てくるタラウマラ族は、世界トップクラスのウルトラランナーを驚かすほどの速度で長距離を走るのだ。しかも足元には近い手作りのゴム草履様の履物(名前をワラーチという。草鞋?)。「走る時は高機能の高いランニングシューズを履かないと身体を壊す!」という現代の常識では考えられない暴挙!?

詳しくは、ぜひ本書を読んでいただきたい。私的には本年度一、二を争うオモシロ本である。諸兄に絶対に損はさせない。きっと夢中になるはずだ。

んで、この本を読んだ私は考えた。

「せっかく上等のシューズを履いているのに、膝も足首も痛くてしょうがない。いつまでも違和感がある。息もすぐに上がる。私も裸足に近い状態で走れば……」

と、玄関先で目についたのは屋外作業用に履いていた地下足袋。これなら靴底が生ゴム一枚で素足に近い。まぁ、万が一身体を壊しても、それはそれでランニングを止める口実になるから……w

それからすでに半年以上。距離も時間も相変わらずだが、足指の股に靴ズレが出来た以外は、特に故障することなく走り続けている。

さて、ここからが本題だが、初心者ランナーとして、整体師として、この半年間、高機能シューズと地下足袋(裸足)の違いを自分なりにツラツラと考えてきた。いくつか気付いたことがあるのだが……続きは後ほど!

2010年9月7日火曜日

あしたか流腰痛予防法

さて、続きです。

私が知る限りにおいて最も効果的な腰痛の予防法。

それは股関節の柔軟性を取り戻すことです。

股関節は骨盤(腸骨)に開いた穴(寛骨臼)に、大腿骨頭が組合わさった“ボールアンドソケット”と呼ばれる構造の関節です。

ご自分の股関節を動かしてみればお分かりになるように、股関節は肘や膝などとは違って広い可動域を持ち、前後左右に自在に動きます。この広い可動域と、腰回りの強力な筋肉や腱群によって全体重の60%もある重い上半身を二本足で支えることができるのです。

ところが、当院においでになる腰痛の患者さんの半数以上が股関節の動きが悪く、これが身体全体のバランスを崩す大きな原因のひとつになっていることが多いのです。

試しに和式トイレで用を足す時のようにしゃがみ込んでみてください。問題なく腰を落とせる人の股関節はセーフです。お尻を下までおろせなかったり、後ろに尻餅をついてしまう人は……残念ながら重度の腰痛予備軍(!)です。

あなたは大丈夫ですか?

当院では股関節の硬くなったこのような方も、完全手技による施術と、それぞれの体質体調に合ったアドバイスによって回復のお手伝いをさせていただいています。

なお、股関節の柔軟性とはいっても別に空手家やバレリーナのように足が頭の上まで上がるようになったり、ガバッと180度開脚ができるようになる必要はないのです。屈曲〜伸展、内転〜外転、内旋〜外旋という3種類の動きを場合に応じてバランス良く使えるようになるのに苦労や努力は必要ありませんよ。

私は患者さん方に常々言っていますが『人の身体は使ってナンボ』です。しっかり動かすことが最良のメンテナンスになるのです。

ただし、痛みで動かすのが辛い場合は無理をしちゃダメですよ! 急性のギックリ腰から慢性腰痛まで、古武術秘伝の整体術で痛みの原因を気持ちよ〜く取り除きましょう。

2010年9月6日月曜日

神様の設計ミス!?

「先生、どうやったら腰痛を予防できますか?」

たびたび聞かれる質問です。
対する私の返答は常に同じ。

「残念だけど完全な予防は無理ですよ」

私たちが二足歩行をしている限り腰痛は必ず起こります。これは人体の構造上、仕方のないことなのです。

ほ乳類の基本構造は四足歩行を前提に設計されています。それを強引に縦に使っているのが私たち人間です。万物の霊長たりえる大きくて優秀な脳と、自由かつ繊細な働きをする両手と引き換えの強引な設計変更。腰痛に苦しむ方なら「なんでこんな風に作ったんだよ!」と神様相手に製造元責任の訴訟でも起こしたくなるような無茶をしています。

どうしても腰痛から解放されたければ方法はふたつだけ。四六時中四つん這いで生活するか、あるいは白木の箱に入るか。

もはや腰痛は人間の運命、宿業と思って諦めてください……ではミもフタもありませんので、次回はこのブログを読んでくださっている方だけに、特別にとっておきの身体のメンテナンス法をお教えしましょう。

《続く》

※画像は西伊豆の達磨山から臨む富士山です。

2010年9月2日木曜日

電話が通じにくくなっております?


久しぶりの更新です。

ご心配をお掛けして……ないですよね。

「あの院長のことだから、どうせ遊び惚けてるんだろう」と。

はい、お察しの通りです。

二年以上の時間と、莫大な手間ヒマ、小遣い銭のほとんどをつぎ込んで、なんとか乗れるようになったヤマハのオートバイSRV250を乗り回すのが楽しくって楽しくってw ヒマがあれば西伊豆へ、箱根へ、はたまた富士山へとアクセルを捻っております。

先日、スーパートラップというマフラーに交換してからは、そのセッティングを出すためにヒマがあればそこいらを走り回っております。

17年前のオートバイですから、思いっきり旧車です。しかし、ホンダのCB750やカワサキのZ2、スズキのカタナのように当時から人気があったわけではありません。プレミアなんか付いてません。昔も今も速くもないです。お世話になっているバイク屋の大将も、口にこそ出しませんが「なんでこんなバイクに大枚の修理代はたくかねぇ」と呆れ顔です。

ま、いいんじゃないですか。趣味ってのは、そーいうモンです。

んで、ここからが本題です。

院を留守にする時、いただいた電話をケータイに転送するようにしておりますが、伊豆や箱根の山の中に入ってしまうと電波状況によっては電話をお受けできないこともしばしば。どうか留守番電話に一言残してやってください。

「いんちょ〜! 遊んでないで、さっさと帰ってきて私の腰を診てよ!」って。

メッセージを受け取り次第、折り返しお電話を差し上げるとともに、必要であればすぐにUターンして飛んで帰ります。どうぞご理解のほど、よろしく申し上げます。