2017年7月28日金曜日

向き、不向き



「鍼に通ってるんだけど、ちっとも良くならなくて」と、腰をかがめた腰痛の患者さん。伸ばしたり反らすと辛いとのこと。

 いつもの通りの施術。来院された方ならご存知でしょうが、当院の施術は仰向けになったり、うつ伏せになったり、椅子に座ってもらったり、身体を捻ってもらったりと、少々注文が多うございます。『腰が痛い人にそんな動きをさせるなんて!』と思うでしょ? ところがどっこい、施術の手順には、それさえも織り込み済み。

 術後に患者さん曰く「やってもらってる最中から、動くのがどんどん楽になってくるのがわかりました」と。動作確認してもらうと琴奨菊ばりに思いっきり弓ゾリになって「全然痛くないです」と笑顔。

 上記は良くあるケース。はっきり言いますが、腰痛に関しては鍼灸よりも当流のような整体整骨術の方が適しているし即効性があります。

 これは私自身の体感ですが、急性慢性問わず腰痛の原因の約八割は骨盤の歪みと腰椎関節突起のズレが原因です。鍼灸がどんな理屈理論で腰痛に対処しているかは良く知りませんが、これをあの細い鍼だけで動かそうと思ったら、よほどの段取りと時間が必要なことでしょう。

 だったら、少々野蛮で乱暴ではありますが、直接骨に指をかけて「エイヤッ!」とばかりに動かしてしまった方が手っ取り早いのです。

 とはいえ決して鍼灸を否定しているのではありません。鍼師にも漫画『ブラック・ジャック』に登場したキャラクター琵琶丸のような凄腕の療術家がいるとも聞き及んでいます。ただ、どんな医術療術にも『向き、不向き』があります。私も良くこんな冗談を言います。

「手や足がポッキリ折れて、骨が皮膚を突き破っているような状態で『先生治して』とうちへ来たって駄目ですよ。そんな時こそ、◯◯さんが『腰が痛いって言ってるのに、人の顔を見もしないでパソコンの画面を覗き込んで、出すのは鎮痛剤と湿布薬だけ』といつもブーブー文句を言ってる整形外科医さんに駆け込まなきゃ」

 それでも、これまでに腰椎圧迫骨折で来院された方が3名、肩鎖関節完全脱臼で来院された方1名。いずれも、すぐに「俺じゃ手に負えんわ。すぐに病院に行って! 何なら今ここに救急車呼ぶッッッ!」と。もちろん、いずれの方からもその際の施術料を頂いておりませんが、いずれの方からも、今においても厚い信任をいただいております。

2017年7月26日水曜日

熱中症対策:経口補水塩の作り方


 熱中症対策について、その2です。

 失った水分を速やかに補うことのできる『経口補水塩』の作り方を紹介します。

砂糖ひとつかみ(大さじ4.5、40グラム)
塩ひとつまみ(小さじ1/2、3グラム)
水1リッター

 上記を混ぜ合わせた液体は、真水の25倍もの速さで体内に吸収されます。大塚製薬が製品化している『OS-1』などと基本的には同じです。

 脱水症状が疑われる不調の際にイオン飲料やOS-1などが手元にない時、これを作って飲んでみてください。吸収率が高いのでガブ飲み一気飲みは厳禁です。また、作り置きはしない方が良いでしょう。

 さて、以下余談ですが……

 最近、都会の個人病院などが『元気になる点滴』を自費診療として行なっているんだとか。血中に直接流し込んで元気になるお薬って何でしょうねぇ? まさかヤバ薬? そんな便利なお薬があるのなら、なぜ保険診療に含まれないんでしょうねぇ?

 これはネタバラシをすると、輸液中の薬効成分(病院によって色々言ってるみたいです。ニンニクなんちゃらとか、ホメオパシーなんちゃらとか)にそんな効果はなく、輸液自体による水分と電解質の補充による効果。そして、この輸液ってのは種類は色々とありますが、基本的には上記の経口補水塩や、あるいはポカリやアクエリアスなどのイオン飲料と同じもの。

 つまり、このボッタクリ点滴を受けて「元気になった!」と感じる人は知らず知らずのうちに軽い脱水症状となっていたってこと。

 しかしまぁ、サロンのような清潔で豪華な病室で、美しい女性看護師さんにかしずかれて、高価な点滴を打ってもらってるセレブなアテクシ……ってのを自撮りしてインスタグラムやフェイスブックにアップして元気が出るなら、それはそれで良いのかもねぇ。

2017年7月25日火曜日

隠れ熱中症に注意を!


 毎年のように「今年の暑さは異常だ」と言っているような気もしますが、暑いものは暑いんだから仕方ない。しかも「暑い」と感じる期間も年々長くなっているような?

 もしかしたらそのせいなのか、今年は6月半ば頃から「隠れ熱中症」と思われる症状の患者さんがお見えになっています。頭痛や疲労感、背中や腰の張り、就寝中のこむら返り、朝の起き抜けから体が重いなどなど。これらは骨の歪みや筋肉のバランスの崩れから起こる場合もありますが、この時期は特に熱中症の初期症状を疑うべきです。

 先日お見えなった患者さんは「でも、水分はしっかり採ってますよ。私、炭酸水が大好きで……
」と。「では塩っ気は?」と聞くと、考え込んでしまわれました。

 いくら水分だけ取っても、おしっこや汗と一緒に流れ出た塩分は補給できません。それどころか、塩分不足のまま水分だけを摂り続けると「自発的脱水」が起こる危険性があります。簡単にいうと、体の中の塩っ気が薄まって症状を悪化させてしまうのです。

それでなくとも夏場は食欲が落ちるため、普段よりも食事で摂取する塩分が少なくなる傾向にあります。この時期こそイオン飲料や経口補水液を活用していただきたいのですが、「ポカリスエットなんかは甘すぎて……」という方は、塩飴や塩分補給タブレットなどで上手に塩分を摂取してくださいね。

2017年7月20日木曜日

開けゴマッ! じゃなくてペットボトル!! 

 数年来のお馴染みさんである高齢の御婦人が来院。

「熱中症に注意して、水気と塩っ気をしっかり摂ってくださいね。一日に1.5リッターが目安ですよ」

 毎夏のことではありますが、私はこの時期、高齢の患者さん方に対して心配性のお母さんのように口うるさくなります。命に関わる問題ですから。また、ご高齢の方はエアコンを『贅沢品』と思われている方も多いので「エアコンは今や『生命維持装置』ですよ」と口すっぱくして。

「しっかり水分補給しているつもりでも、食事やお茶からだけでは不足しがちですから、500mlのペットボトル1本分はイオン飲料(ポカリ・スエット等)や経口補水液(OS-1等)で摂取した方がいいですよ」

「ええ、でもねぇ……キャップがねぇ……」

 若い人にはどうってことないペットボトルの開封も、高齢の方、特に女性にとっては一苦労。そこでオススメしたいのがペットボトル・オープナー。

様々な形状方式の商品が発売されていますが、
ネットで評判の良いのはエコー金属製のこちら。
100円ショップのセリアで購入。

見たままの使い方で説明いらず。軽い力で開封できます。

缶飲料のプルトップも楽にプシュッと。

 高齢のご家族のいらっしゃる方は一度「ペットボトル開けるの大変じゃない?」とお聞きになってみてください。また「ねぇ、これ開けて」と頼まれることが多いなら、なおさら。

「自分では開けられない。人に頼まなければいけない」というのが心理的負担になって、それが水分補給を妨げるようなことになっては絶対にいけません。是非とも一つ購入して「お母さん、これ使ってね」と勧めてあげてください。この商品は裏面に磁石付きで、冷蔵庫にくっつけておけるので、いざという時に探す手間も省けますよ。

2017年7月14日金曜日

職人仕事に言葉は不要。

 昼飯を食べ終えて、午後の『ひよっこ』再放送を待っていると玄関チャイムが鳴る。

 あれ、午後の予約は1時半からだよな?……と出て行くと、「センセー、イルー?」と、7〜8年来のお馴染みさんである浅黒い巨漢のバングラデシュ人のクルマ屋(中古車輸出業)の社長が立っていた。

「トモダチ、コンビニデ会ッタ。足痛イ。スグ連レテキタ。診テネ、オ願イ」

 社長氏の背後には同じく浅黒い肌の髭モジャ巨漢。立っているのも辛そう。掛け時計を見上げて時間を逆算。ギリギリだけど、なんとかなる。

「よござんしょ、すぐ診ます。さぁ入って」

 足を引きづりながら入って来た友達氏の動きで大体は察しは付く。サクッと触診、動診。思った通り、足部にあるリスフラン関節の亜脱臼。施術台に仰向けに寝てもらい、患側の膝を立ててもらう。

「かなり痛いかもしれないけど、大丈夫?」

 社長氏通訳。ゴニョゴニョと彼らの言葉で会話。

「ダイジョブ、許可イラナイ。痛クテモイイ。必要ナコト、ヤッテ」

 ならばと遠慮なく術を施す。ガンッッ!

 瞬時に身を仰け反らせる友達氏。

「ごめんねぇ、痛いよねぇ。でも、もう一回!」と、ガンッッッ!

 再度仰け反り、嗚咽を漏らすまいと歯を食いしばる。

「さ、これで早ければ明後日には普通に歩けるようになるから、そしたらもう一回診せに来てね」と帰したのが4日前。

 言葉の問題もあって、ロクな説明もできなかったから、痛みと恐怖感ばかりが残って、もう来ないかもなぁと思っていたら……

 今日の正午過ぎのこと。やはり『ひよっこ』の午後の再放送を観ているとピンポーン。出て行くと玄関先に件の友達氏。

 招き入れるとスタスタと院内へ。聞けば、私の言葉通りに足部の痛みは術後翌々日には綺麗サッパリ消えたとのこと。そして……

「今ハ、ココ(背中)痛イ。コッチ向クト、ココ(首)モ痛イ。治ルカ?」

 えーとねぇ……


 そうは言っても、彼らが看板の『完全予約制』の漢字を読めるはずもなく、まぁ仕方ないわな、と(笑)

2017年7月9日日曜日

看板猫の世代交代?



 今日は暇なら陸上自衛隊富士学校の学校祭を覗きに行くつもりでいましたが、蓋を開けてみれば幸か不幸か……ではなく、幸いなことに千客万来。次々とおいでになる患者さんの施術に追われる一日。

 二匹の新参猫はすっかり落ち着いて座敷で食っちゃ寝……と安心していたら、8歳のキジトラ雄猫ワクさんが戸の外でアオアオ。何事かと思い開けると、施術室に入って来て、施術を終えたばかりの高校球児にモフモフ(猫を撫でるの意)されたり、ゴッチン(おでこを擦り付ける親愛の行動)したり、お膝に抱っこされたり、ひとしきり遊んでもらってから満足げに出て行きました。

 これまで施術室は先住の黒猫、楽太郎の縄張りでした。よって、彼が当院の看板猫だったのですが、怖がりで人見知りな性格なので、正直おもてなし係としてはちょっと不適格。

 これはもしかして……看板猫の座(つまりは真夏に冷房の効いた施術室で涼める権利)を巡る熾烈な争いが起こりそうな予感。さて、どうなりますことやら?

2017年7月7日金曜日

突然ですが、家族が増えました。

三毛猫のミケさん、なんとビックリ24歳。

キジトラのワクさん、8歳(推定)。

元々は出張施術に伺っている高齢の御婦人Nさんの飼い猫。Nさんは歩行困難が進み、ついには車椅子。猫たちの世話も難しく「こんなに大きくちゃ誰も引き取ってくれないし、私は歩けないし、どうしようもないですよ。本当にどうしようもないですよ」と泣きの涙。

 ここであしたか院長、漢気を見せました。……なーんて大したモンではなく、二匹とも院長に懐いていたこともあり、これも何かの御縁。

「二匹とも私が責任を持って預かります。ただし、もしかしたらミケさんは年齢的にうちで最期を看取ることになるかもしれません。それは覚悟してください。その代わり、Nさんは『どうしようもない』なんて口癖は金輪際止めて治療とリハビリに専念してください。せめて家の中だけでも自分の足で歩けるようになれば、また猫たちも戻って来れるでしょ?」

 でも……でもねぇ。私も、Nさんも、そしてきっとNさんのご家族も感じていることは同じだと思います。『時の流れには誰も逆らえない。そして命には必ず終わりが来る』ってことを。私がやったことは、言葉とは裏腹にNさんの仕舞い支度のお手伝いなのかもしれません。

 それでも、愛する猫たちの行く先が決まり、大きな気がかりが消えた瞬間のNさんのパアッと輝くような笑顔を見て、私は「これで良かった」と思っています。現代医療の作法からは大きく逸脱した行為であり、それ以前に私は単なる『おバカなお人好し』なのかもしれません。ま、それはそれで良うござんしょ。そもそもあっしは時代遅れの男でござんす。

 なお、一番割りを食ってるのは元々うちで飼ってた先住猫のシュウと楽太郎。突然知らない猫が自分たちのテリトリーに侵入してきてビックリ。外に飛び出したまま帰ってきません。ちょっと可哀想だけど、あいつらも元々は血統書とは無縁のミソッカスと野良猫。きっと折り合いをつけてくれることでしょう。

2017年7月3日月曜日

本日午前中休診


 机を動かし、骨格図や筋肉図を外し、掛け時計を下ろし、ついに閉院店仕舞い……ではなく、本格的に暑くなる前にエアコンのクリーニング。本日午前中休診いたします。午後からはリフレッシュした涼風と共に皆様をお迎えいたします。

2017年7月2日日曜日

陽気病み? 天気痛?


 毎年、梅雨時になると不思議と「何が原因かは分からないんだけど……」と頭痛や首肩の張り、体調不良を訴える患者さんが増えます。

 中には病院へ行ってMRIまで撮ってもらったのに「なんでもない」と言われたと肩を落とす人も。私としては重篤な病気の心配がないのだから、逆に喜ぶべきだとさえ思うのですが「原因不明の苦痛」ってのは、理屈抜きに人を不安にさせるもののようです。

 私に言わせてもらうなら、この手の違和感や痛みの原因の多くは『陽気病み』です。特に梅雨時は前線の活動による気圧の乱高下がおきやすいので、これが原因となって体調を崩してしまうのです。

 しかし、これはあくまで私の個人的な施術経験からによるもの。統計を取った訳でもないので、エビデンス(証拠)に乏しいと言われればそれまで。

 それならば……と書店に走り、以前より気になっていた本を購入。ちょっと勉強いたしましょうか。

 ちなみに、当院では『陽気病み』の患者さんには全身の骨格バランスおよび巡り(循環器系リンパ系)の調整を施すことにより、症状の緩和改善を行なっています。